半月板とは、膝関節の内側と外側の辺縁に位置する断面が三角形の線維軟骨であり、O型の内側半月板とC型の外側半月板からなります。主な役割は、膝を安定させる役割や衝撃を和らげるクッション(緩衝作用)の役割をしています。
まれに、外側半月板が円盤の形をしている円板状半月板(Discoid)といわれる半月板の場合もあり、日本人の約15%にみられます。
図1:膝関節の解剖
膝をジャンプ動作や急な方向転換を繰り返すようなバレーボールやバスケットボールなどで、膝を捻り受傷する頻度が高い疾患です。中高年では、立ち上がり時や無理な動作をして捻った際に受傷する場合や、加齢変化に伴い半月板が変性し断裂することにより、症状が出現する場合があります。
受傷直後は、膝周囲に痛みや腫れがみられ、歩行や階段、しゃがみ込み動作で痛みを訴えます。また、動作時に膝の引っかかり感やロッキング症状(膝が屈伸困難な状態)がみられることがあります。
図2:内側半月板損傷のMRI像
半月板損傷の多くは、治療法の第一選択として保存療法を選択します。その理由は、半月板は損傷していても損傷半月板のひっかかり、刺激症状がなければ痛みを生じないからです。保存療法とは、主にリハビリにより治療を行っていく治療法です。
受傷後は、膝周囲に腫れがみられ、歩行・立ちしゃがみ動作で痛みを生じ、@大腿四頭筋の筋力低下A膝の可動域低下を生じる事が多いです。そのため、当院では、大腿四頭筋強化、膝の可動域拡大を徹底して行い、膝の機能を受傷前の状態に戻すことを目標に治療を行います。状態に応じて荷重下トレーニングへと移行し、日常生活の向上やスポーツ復帰を目指します。
保存療法を1〜2ヶ月行い、大腿四頭筋の筋力改善後も痛み・ひっかかりが持続し関節内注射の効果もない場合は手術療法の検討も必要になります。
<保存療法におけるリハビリ例>
当院では、関節鏡を用いて10mm弱の低侵襲の創部を2〜3箇所作成し、鏡視下関節鏡手術を行います。半月板損傷の手術には、半月板縫合術と半月板切除術に分かれ、半月板の断裂形態・部位、年齢、活動レベルなどを考慮し、選択されます。
手術後は膝の腫れや可動域・筋力低下がみられるため、可動域訓練・筋力強化、歩行訓練を行っていきます。術後1日目よりリハビリを開始し、入院期間は7日前後です。退院後翌日より、学校や軽作業の仕事への復帰が可能です。
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