本文へスキップ

鹿児島市田上の整形外科

電話お問い合わせはTEL.099-250-8100

〒890-0034 鹿児島市田上3丁目12-13

手術実績HEADLINE

手術症例数 年度別データ

部位 手術術式 2000年〜2013年 2014年
鏡視下前十字靭帯再建術 638 32
鏡視下半月板切除術 1969 134
鏡視下半月板縫合術 201 9
鏡視下滑膜切除術 798 61
鏡視下遊離体摘出術 516 42
人工関節置換術 170 12
人工関節再置換術 17 3
高位脛骨骨切り術 144 21
骨折観血的手術 157 7
膝蓋骨脱臼制動術 52 1
遺残性オスグッド病 28 0
その他 350 27
5040 338
鏡視下遊離体摘出術 19 2
アキレス腱縫合術 93 8
外反母趾矯正手術 56 2
骨折観血的手術 187 10
関節固定術 10 1
足関節靱帯再建術 30 0
骨軟部腫瘍摘出術 33 4
その他 156 17
584 44
鏡視下腱板修復術 74 12
鏡視下関節授動術 52 3
骨折観血的手術 275 23
鏡視下関節脱臼制動術 45 2
肩鎖関節脱臼整復術 23 0
上腕二頭筋長頭腱断裂 10 0
人工骨頭置換術 8 0
その他 117 5
604 55
鏡視下遊離体摘出術 77 0
鏡視下関節授動術 102 3
骨折観血的手術 112 2
偽関節手術 23 1
尺骨神経移行術 44 1
その他 65 4
423 11
鏡視下手根管開放術 72 7
腱鞘切開術 316 30
骨折観血的手術 352 48
腱縫合・移行術 22 4
骨軟部腫瘍切除術 43 3
舟状骨偽関節手術 18 1
その他 195 10
1018 103
人工関節置換術 91 10
人工関節再置換術 8 1
人工骨頭置換術 30 6
骨折観血的手術 50 3
鏡視下遊離体摘出術 9 0
188 22
脊椎 鏡視下椎間板摘出術(ヘルニア) 148 11
鏡視下椎弓形成術 38 4
椎弓形成術 3 0
その他 11 0
200 15
その他 その他手術 353 27
総計 8410 615

 症例紹介

膝関節

半月板損傷

〜半月板とは〜

 半月板とは、膝関節の内側と外側の辺縁に位置する断面が三角形の線維軟骨であり、O型の内側半月板とC型の外側半月板からなります。主な役割は、膝を安定させる役割や衝撃を和らげるクッション(緩衝作用)の役割をしています。 まれに、外側半月板が円盤の形をしている円板状半月板(Discoid)といわれる半月板の場合もあり、日本人の約15%にみられます。

図1:膝関節の解剖


〜原因と症状〜

 膝をジャンプ動作や急な方向転換を繰り返すようなバレーボールやバスケットボールなどで、膝を捻り受傷する頻度が高い疾患です。中高年では、立ち上がり時や無理な動作をして捻った際に受傷する場合や、加齢変化に伴い半月板が変性し断裂することにより、症状が出現する場合があります。  受傷直後は、膝周囲に痛みや腫れがみられ、歩行や階段、しゃがみ込み動作で痛みを訴えます。また、動作時に膝の引っかかり感やロッキング症状(膝が屈伸困難な状態)がみられることがあります。

図2:内側半月板損傷のMRI像


〜治療法の選択〜


〜保存療法〜

 半月板損傷の多くは、治療法の第一選択として保存療法を選択します。その理由は、半月板は損傷していても損傷半月板のひっかかり、刺激症状がなければ痛みを生じないからです。保存療法とは、主にリハビリにより治療を行っていく治療法です。 受傷後は、膝周囲に腫れがみられ、歩行・立ちしゃがみ動作で痛みを生じ、@大腿四頭筋の筋力低下A膝の可動域低下を生じる事が多いです。そのため、当院では、大腿四頭筋強化、膝の可動域拡大を徹底して行い、膝の機能を受傷前の状態に戻すことを目標に治療を行います。状態に応じて荷重下トレーニングへと移行し、日常生活の向上やスポーツ復帰を目指します。 保存療法を1〜2ヶ月行い、大腿四頭筋の筋力改善後も痛み・ひっかかりが持続し関節内注射の効果もない場合は手術療法の検討も必要になります。
<保存療法におけるリハビリ例>


〜手術療法〜

 当院では、関節鏡を用いて10mm弱の低侵襲の創部を2〜3箇所作成し、鏡視下関節鏡手術を行います。半月板損傷の手術には、半月板縫合術と半月板切除術に分かれ、半月板の断裂形態・部位、年齢、活動レベルなどを考慮し、選択されます。


〜半月板切除術後リハビリテーション〜

 手術後は膝の腫れや可動域・筋力低下がみられるため、可動域訓練・筋力強化、歩行訓練を行っていきます。術後1日目よりリハビリを開始し、入院期間は7日前後です。退院後翌日より、学校や軽作業の仕事への復帰が可能です。




このページの先頭へ

前十字靱帯断裂

〜前十字靱帯とは〜

 前十字靭帯は膝関節の中で、大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)をつないでいる強力な靭帯で、その役割は、主に大腿骨に対して脛骨が前へ移動しないような制御(前後への安定性)と、捻った方向に対して動きすぎないような制御(回旋方向への安定性)の2つがあります。 つまり、この靭帯を損傷すると、膝は前後方向および回旋方向の2つの方向に緩くなります。

図1:膝関節の解剖


〜原因と症状〜

 前十字靱帯損傷は、ストップ、ターン、カッティング、ジャンプの着地などで膝を強く捻り、膝がガクッと外れて損傷することが多いようです。  主な症状は「膝がグラグラする」「膝が抜けた感じ」がして、脱力感のためスポーツが困難な状態となります。時間が立つにつれて関節に血液がたまり、関節の腫れと痛みで膝の動きが悪くなりますが、通常は2〜4週間ほどで痛みや腫れは改善し、日常生活などは普通にできるようになります。しかし、スポーツ復帰したときに、再度膝がガクッと外れる(膝くずれ)が起こりやすくなります 。


〜治療法の選択〜

膝くずれの防止が治療の最大目標である。損傷した前十字靭帯は修復せず、以下の事を考慮し治療を選択します。 ●手術療法を選択する場合  
1)スポーツ復帰後も再度膝くずれが起きる場合
2)日常生活レベルでも方向転換などで膝くずれが起きる場合
●保存療法を選択する場合  
1)普段スポーツをせず、日常生活レベルで支障がない場合  
2)レクレーションレベルで、スポーツ復帰後も膝くずれが起きない場合


〜手術療法〜

●前十字靱帯再建術 
1)前十字靭帯損傷時の受傷機転は膝30〜0゚で膝を強く捻った肢位であります。当院ではそのことを考慮し、膝30〜0゚で緊張する靭帯を作成することで前方・回旋不安定性を制御する機能的靭帯再建を行っています。(図4〜6) 
2)移植腱として半腱様筋(はんけんようきん)と薄筋(はっきん)という、もも(大腿)の後ろの筋肉の腱を使用します。AMB(前内側線維)PLB(後外側線維)2本の靭帯を作成し、2束 靭帯再建術を行っています。 
(図3) 

 
 
3)@採取した靭帯を移植するための骨孔作成(骨の穴あけ作業) 
骨孔の位置は1〜2mmの誤差範囲で理想的なポイントに作成します。 
*先ほど説明したように、膝30〜0゚で緊張する靭帯を作成することで前方・回旋不安定性を制御する機能的靭帯再建を行っています。

B膝0度から屈曲120度までの移植靭帯の 緊張の平均値 
膝30〜0度 :1mm緊張 
膝30〜120度:2mm緩む


4)内視鏡手術で大腿骨に2箇所、脛骨に2箇所の穴をあけ、再建靭帯の両端は人工靭帯に連結し、
上下端は特殊な固定金具で留めています(図7)




  〜術後リハビリテーション

 手術後翌日より、リハビリテーションを開始します。術後早期は膝周囲の筋力低下予防、膝関節の硬さ予防を徹底して行います。また、術後経過日数・状態に合わせたトレーニング、スポーツ内容をその都度医師・理学療法士と相談し決めていきます。スポーツ復帰に向けた時期は、再受傷予防トレーニングも十分行っていきます。
(図3参照)

<手術後の流れ>
●手術後翌日より装具装着し、歩行開始します。
●入院期間は約2週間で、装具装着(図1)杖なし歩行での退院となります。
●術後2ヶ月は膝伸ばし-30°ストップ:再建靭帯に伸張ストレスが加わり弛む可能性がある為。
  *術後3ヶ月で完全に伸ばせる状態を目指し、リハビリを行います。
●術後3ヶ月より装具除去開始
●術後4ヶ月以降、ジョギング開始
●術後6ケ月以降 競技基礎練習開始
●術後8ヶ月以降 試合形式練習
●術後10ヶ月 完全復帰
(図2参照)
                                      




このページの先頭へ

変形性膝関節症

〜変形性膝関節症とは〜

 変形性膝関節症は、加齢変化の一種で関節の軟骨の変性を中心とした非炎症性疾患です。男性よりも閉経後の女性に多くみられます。

〜症状〜

 症状は、動作開始時や歩行時の関節痛、変形(日本人の多くが内反変形(O脚))、 曲げ・伸ばしが不自由になる可動域制限、膝に水が溜まるなどがあります。  レントゲンでは、関節の隙間が狭くなる、骨棘の増殖、軟骨の磨耗、変形などが見られます。

〜分類〜

 日本では、グレード0〜4の5段階に分類されています。
〜治療法の選択〜

 当院では、患者様の痛みや日常生活での支障を問診したうえで、医師・理学療法士がレントゲンや 膝関節の状態を確認し、リハビリを中心とした保存的治療(手術を行わない治療)と観血的治療(手術を行う治療)を行っています。

1.保存的治療治療

 《リハビリ》 ・痛みに合わせて膝関節の曲げ伸ばしの運動や歩行・階段の上り下りなど日常生活において 重要な筋肉の筋力強化を行っています。 ・また、歩行や立ち上がり、着座などの動作指導を行い、日常生活の動作を楽に行えるように しています。 ・温熱療法や電気治療を行うことで痛みや関節のこわばりの改善を図ります。

《装具療法》
足底板や(支柱付き)サポーター、杖を使用することで膝関節の痛みの軽減や不安定性の制御を 図ります。

《薬物療法》
痛み止めの服用や湿布を用いて痛みをコントロールします。 注射:関節内にヒアルロン酸の注射をすることで膝の曲げ伸ばしや痛みの軽減を図ります。

《当院の運動療法の効果》

2.観血的治療

 保存的治療を行ったうえで痛みが残り、日常生活に支障をきたす場合、観血的治療を選択します。 当院では高位脛骨骨切り術と人工関節置換術の2種類を施行しています。 入院期間は3〜4週間で、退院時には手術前と同様かまたはそれ以上の歩行様式で歩くことが できます。

《高位脛骨骨切り術 HTO:High Tibial Osteotomy》

 内反変形(O脚)が進行することで膝関節の中でも荷重ストレスは特に内側に偏り、 膝関節の内側に痛みが生じやすくなります。
この手術では、脛の骨を切り少し角度を変えることで、荷重ストレスを内側から外側に移行させ、 痛みの緩和を図ります。関節の外側の軟骨の状態が比較的良好な方が行う手術です。
メリット:手術による侵襲が小さい自分の関節を温存できるため、スポーツや正座が可能な場合もある
〜高位脛骨骨切り術(HTO)のリハビリプログラム〜

・ 高位脛骨骨切り術後は、骨切りを行った自家骨と挿入した人工骨との癒合を促すため、歩行や 階段昇降時にはギプスシーネを装着します。
・ ギプスシーネ装着期間は、手術後1ヶ月(4週間)で室内のみ除去、手術後1.5ヶ月(6週間)で完全除去を目安としています。この時期にレントゲンを撮影し、その結果や筋力、歩行状態などを踏まえ、医師が許可を出し、理学療法士が動作指導を行います。
・ また、手術直後は人工骨を保護するため歩行や階段昇降時には手術側の足にかかる体重を制限 して行います。 ・ 立ち上がりや着座時には、手術側の足に負担がかからないよう動作の指導を行っています。 ・ ウォーキングやスポーツ動作などはレントゲン撮影を行い、骨の癒合状態や膝関節の動き、 筋力に応じて医師が許可を出し、理学療法士が動作指導を行います。

【抜釘術】 ・ 骨切りを行った自家骨と人工骨は約1年〜1年半ほどで癒合が完成します。 レントゲンを撮影し、骨の癒合の完成が確認できたら、高位脛骨骨切り術で挿入したプレート 及びスクリューを抜去する手術を行います。 ・ この手術をするための入院期間は1週間程度です。 手術後には固定や荷重制限などはなく、比較的早期に日常生活、仕事復帰が可能となります。 スポーツ復帰に関しては、スクリューを抜去した部分の骨の癒合次第で可能となります。

《人工膝関節全置換術 TKA:Total Knee Arthroplasty》

変形した関節の表面を金属でできた人工のものに置き換える手術です。 変形性膝関節症の末期(グレードV〜W)となり、関節の変形が大きく、痛みや曲げ伸ばし などで日常生活に支障をきたす場合に行います。 近年の人工関節は、安定した素材の提供が可能となり、20年前後の安定した耐久性がある といわれています。
メリット:手術翌日から全体重をかけて立ち、歩くことができる 。
新しい膝に慣れることで痛みが気にならなくなる。


〜人工膝関節置換術後のリハビリプログラム〜

・ 術後1日目より全荷重可能、歩行器を用いて歩行を行います。
・ 退院は術後3〜4週で、術前と同様またはそれ以上の歩行様式での退院となります。
・ 術後は1年に1回の定期レントゲン・診察を行います。



このページの先頭へ

肩

肩関節腱板損傷

〜肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)〜

肩関節は体幹と上肢の連結部に位置し、鎖骨・肩甲骨・上腕骨で構成される関節で、その周囲を関節包や靭帯、筋肉などが覆っている複合関節です。 肩関節周囲炎とは、通常40歳以後、特に50〜60歳に好発します。加齢に伴う退行性の変性が基盤となり軽微な外傷による易損傷性や治癒遷延性などの年齢的要因が関与する肩関節の痛みや可動域制限を主とした疾患です。 病期は「炎症期」「拘縮期」「回復期」の3期に分類されています。 「炎症期」:症状の発現から増悪する時期で、@夜間痛みで寝られない。A痛いほうを下にして臥位がとれない。B上肢全体への痛み。C痛みで肩が上がらない。などの症状がでる時期です。 「拘縮期」:運動時の激痛や安静時痛が消失し、運動制限が著しい時期です。 この時期には損傷組織の癒着瘢痕化が生じ始めます。 「回復期」:運動制限が改善し、回復に向かう時期です。 疼痛は運動時痛のみとなります。 上記の症状がある場合、肩関節周囲炎の疑いがあります。肩の痛みといっても「肩関節周囲炎」「石灰沈着性腱板炎」「腱板損傷」「インピンジメント症候群」「上腕二頭筋長頭腱炎」など、様々な疾患がありますので、このような症状がある場合は早めの受診をお勧めします。  


〜保存療法〜

 腱板損傷の治療として、すぐに手術は行わず、まず保存療法が選択されます。 保存療法の中心は注射・内服・外用薬とリハビリの併用です。急性期には炎症症状によ る疼痛をコントロールしながら拘縮の予防・リラクゼーション・日常生活動作指導を行います。 特に家事動作などで、洗濯物干し、布団の上げ下ろしなど、腕を挙上する動作を行うと痛みの軽減(炎症症状)がなかなか図れません。  また注射に対して抵抗感のある患者様も多いと思われますが、夜間痛や運動時痛の軽減・痛み自体の原因部位の特定など、有効な治療手段であると考えます。 その後強い痛みが治まると、関節可動域訓練と肩関節周囲の筋力強化を行うことで、日常生活に必要な動作を獲得していきます。
〜手術療法〜

 保存療法による効果が認められない場合当院では、
・鏡視下腱板修復術(損傷した腱板を縫合する。)
・パッチ法(断裂が大きく引き寄せられない場合、大腿筋膜を移植する。)
・肩峰形成術(除圧とクリアランスを確保する。) の手術を行います。
術後4〜6週は外転装具を装着し縫合部の安定を図ります。疼痛をコントロールしながら可動域の改善を行い、リスク管理と自主訓練の習得が出来次第退院となります。入院期間の目安は4週間です。 退院後は医者による定期的な診察と理学療法士によるリハビリにより、以下に示すプログラムと細かな状態チェックで安心して日常生活が送れるように指導をします。また、予後も良好な成績が得られています。 術後のリスクとは、早期に術側の腕を下ろしてしまったり、力をいれてしまったりすることで、縫合した腱板が再断裂することですが、当院では理学療法士が生活動作指導を徹底することで、再断裂の症例はありません。 プログラム 術後1日目より他動による関節可動域訓練、リラクゼーションを行う。
4週  装具を徐々に外します。(腱の緊張と痛みに応じて徐々に外す訓練を行います。)
6週  自動運動を開始します。(腕を自力で拳上する動作を開始します。)
3ヵ月 抵抗運動を開始し日常生活に支障なしを目標とします。
6ヵ月 重労働への復帰、スポーツ復帰を目指します。

肩関節腱板損傷

〜肩関節腱板損傷とは〜

 肩関節腱板とは、肩甲骨から始まり、上腕骨骨頭を包み込むように付着する深部の小さな筋群(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)のことです。腕を持ち上げるなどの動作時に関節を安定させる非常に重要な機能を果たしています。 腱板損傷は男性にやや多く、40歳以上の腕を持ち上げる動作を繰り返す人に好発すると言われています(腱の変性と腱に加わる外力)。また、転倒によって肩を直接打撲したり、手をついた際に間接的に腱板損傷に至る場合もあります。 断裂型は、腱板の厚みに関しては、断裂が全層に及ぶ全層断裂(完全断裂)と、厚みの一部にとどまる部分断裂(不全断裂)とに分類されます。 全層断裂については断裂部の広がりにより、小断裂、中断裂、大断裂、広範囲断裂に分類されます。部分断裂の一部は自然治癒するが、全層断裂では自然治癒はないと考えられています。 全層断裂の場合、一般に、高齢で活動性の低い患者様は保存療法を第一選択しとし、60歳以下、労働者、活動性の高い患者様では、手術療法が選択されます。 診断は、徒手検査と、下に示すようにMRIや超音波検査によって、断裂の有無や断裂の分類を行います。 症状として上肢の挙上困難、運動時痛、夜間痛、および筋力低下などがあります。夜間痛の症状として、同じ姿勢を続けると痛みが生じる、痛い方の肩を下にして横になることができないなどがあります。 肩関節周囲炎との違いは拘縮になることが少ない・腕を持ち上げる際に力が入りにくい・軋轢音(あつれきおん)がするなどが挙げられます。


〜保存療法〜

 腱板損傷の治療として、すぐに手術は行わず、まず保存療法が選択されます。 保存療法の中心は注射・内服・外用薬とリハビリの併用です。急性期には炎症症状によ る疼痛をコントロールしながら拘縮の予防・リラクゼーション・日常生活動作指導を行います。 特に家事動作などで、洗濯物干し、布団の上げ下ろしなど、腕を挙上する動作を行うと痛みの軽減(炎症症状)がなかなか図れません。  また注射に対して抵抗感のある患者様も多いと思われますが、夜間痛や運動時痛の軽減・痛み自体の原因部位の特定など、有効な治療手段であると考えます。 その後強い痛みが治まると、関節可動域訓練と肩関節周囲の筋力強化を行うことで、日常生活に必要な動作を獲得していきます。
〜手術療法〜

 保存療法による効果が認められない場合当院では、
・鏡視下腱板修復術(損傷した腱板を縫合する。)
・パッチ法(断裂が大きく引き寄せられない場合、大腿筋膜を移植する。)
・肩峰形成術(除圧とクリアランスを確保する。) の手術を行います。
術後4〜6週は外転装具を装着し縫合部の安定を図ります。疼痛をコントロールしながら可動域の改善を行い、リスク管理と自主訓練の習得が出来次第退院となります。入院期間の目安は4週間です。 退院後は医者による定期的な診察と理学療法士によるリハビリにより、以下に示すプログラムと細かな状態チェックで安心して日常生活が送れるように指導をします。また、予後も良好な成績が得られています。 術後のリスクとは、早期に術側の腕を下ろしてしまったり、力をいれてしまったりすることで、縫合した腱板が再断裂することですが、当院では理学療法士が生活動作指導を徹底することで、再断裂の症例はありません。 プログラム 術後1日目より他動による関節可動域訓練、リラクゼーションを行う。
4週  装具を徐々に外します。(腱の緊張と痛みに応じて徐々に外す訓練を行います。)
6週  自動運動を開始します。(腕を自力で拳上する動作を開始します。)
3ヵ月 抵抗運動を開始し日常生活に支障なしを目標とします。
6ヵ月 重労働への復帰、スポーツ復帰を目指します。

このページの先頭へ

貴島整形外科貴島整形外科

〒890-0034
鹿児島市田上3丁目12-13
TEL 099-250-8100
FAX 099-250-8102